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社長のための経営講座

第80回 「金融円滑化法が平成25年3月末で終了」ーーー 返済猶予企業の出口戦略が必要

 平成20年9月のリーマンショックによる中小企業の経済不況対策として、平成21年12月4日施行された「中小企業金融円滑化法」が、東日本大震災の発生もあり平成23年3月31日から2回延長されましたが、平成25年3月31日で廃止となります。

 リーマンショック以前は、失われた20年の間企業の海外進出による国内経済の空洞化で中小企業の金融機関からの借入金が不良債権化し、金融機関は、その処理に手間取っていました。不良債権処理による貸し渋りや貸し剥がしが急増して社会問題化し、政府は、セーフティネット等の公的融資や公共投資事業の拡大で対応していましたが、効果はあまり望めませんでした。不良債権処理のため産業再生機構や中小企業再生支援協議会を発足させ、事業再生が行われていました。

 リスケジュール、つまり金融機関に対して約定通りに借入金の返済が出来ず元金の繰り延べ要請するということは、期限の利益の喪失をすることであり、経営者にとって大変難儀なことでした。金融円滑化法の施行により「ちょっと苦しいので元金返済を猶予してください」と申し出るだけで、借入金の返済猶予が認められることになったのです。

 平成24年3月末時点で返済猶予が認められたのは、全国の法人約400万社の1割に達する30~40万社に達し、返済猶予額は82兆3,023億円を超えて中小企業向融資247兆円の1/3に達していました。金融円滑化法を来年3月末で廃止するということは、金融のモラルハザードの崩壊に危機感を持った金融庁の決断でした。

 返済猶予を受けている30~40万社の企業は、来月3月末までどのような対応を取る必要があるのでしょうか。金融機関は、助ける企業と助けない企業の峻別をすることが避けられない状況になります。猶予企業の中の1/3~1/4は、実質的に倒産とみられるような企業が含まれているものと思われます。

 金融機関は、融資先へのコンサルティング能力を強化し、中小企業再生支援協議会機能も強化して、協議会へ最低40社以上の案件処理を持込む目標になっているようです。猶予債権の最終的な処理は、DDS(劣後ローン)、DES(株式化)、資本的借入金(実質的な資本金扱いとする)、債務免除等の方法から選択されることになります。

 また、経済産業省と金融庁で中小企業支援ネットワーク(公認会計士、税理士、中小企業診断士、コンサルタント会社、専門技術者、弁護士)を構築して、新商品開発、新事業展開、販路拡大、海外進出支援、事業再生計画書作りなど支援する体制も整いました。

 新規開業よりも事業廃止や倒産する会社が毎年約7万社減少しており、日本の経済は縮小傾向にあります。このような状況の中での中小企業の再生は、現下の最重要課題と言えます。

代表取締役・公認会計士
三澤 壯義

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