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社長のための経営講座

第86回「18年間赤字のハウステンボスを1年で黒字にした男」

平成26年3月22日、イタリアローマで日本M&A協会国際会議が開催されました。2日目に、HISの澤田秀雄会長に講演していただきました。

ハウステンボスの経営再建を要請された時は、HISの幹部、友人の経営者に全てやめた方が良いと忠告を受けてご自分も再建は難しいと思い、2回も断ったそうです。しかし佐世保市長の朝長則男氏からの3度目の誠意を尽くした経営参画への依頼の要請を受け、引受けてしまったということです。

ハウステンボスは、1992年佐世保に開業しました。東京ドームの30倍の広さに2,200億円のお金を投じて建設された古いオランダの街並みを再現したテーマパークです。私も2回行ったことがありますが、遠隔地であり静のテーマパークですから、経営的に軌道に載らず必ず破綻すると思っていました。一度行ったら、もういいやというリピーターとしての気持ちが起こらなかったのです。

2010年の春、ハウステンボスの社長に就任した澤田さんの見たのは、万年赤字にどっぷりとつかり自信のなくした平均年齢40歳を超えた社員達と夜の園内は暗く恐さを感じるほどだったということです。会社更生法を申請して破綻、野村プリンシパル・ファイナンスが入った更生計画でも好転しませんでした。

澤田さんは、まず従業員に希望と元気を出してもらうため、わかりやすく3つのことを提案し自らも泊り込んで経営再建の指揮を取りました。まず、きたない園内を朝15分づつでも良いから綺麗に掃除しましょう。お客は楽しみを求めて来るテーマパークなのだから、明るく元気にあいさつをすること。そして経費を20%削減して売上を20%増加させること。そのため園内施設の1/3を休止して、中心の施設や店舗等を全て稼働させ100万本のバラで園内を飾り、音楽と連動した700万個の光のイルミネーションで夜の施設を「光の王国」として魅力的なものにしました。経費を削れないところの従業員には、1.2倍のスピードで動くことを要請したということです。

フリーゾーンには、佐世保駐留アメリカ軍の奥様方にお手伝いをしてもらい、英語しか使えない「英語広場」のエリアを作ったり、古武術や手裏剣投げ、居合いを教えるベンチャー企業を誘致し、社員が扮する明るいお化け屋敷を建てたりして園内を活性化していったといいます。入場者数の増加とともに売上も増加し、再生計画2期目で経常利益が30億円以上出るまでに業績が回復したそうです。従業員にもボーナスを支給出来るようになり、明るく希望が持て、喜んで働ける職場に変わっていったそうです。

澤田さんは、本当に素晴らしい経営者でありリーダーであると思います。また、日本の将来について、日本の経済はかつてのバブル崩壊後のハウステンボスのようだといいます。お客に喜んでもらえる商品・サービスの提案を忘れ、社員の福利厚生や従業員への分配ばかり考えている企業は、必ずお客に見放されるといいます。日本の国を企業に例えると、社会保障や税金についてのみ議論している国会の姿は企業とダブって見えます。国のリーダーも夢のある将来ビジョンを提案して明るく長期的な政策を打ち出せる政治家の登場が望まれるといわれていることには全く同感します。

代表取締役・公認会計士
三澤 壯義

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