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社長のための経営講座

第87回 金融庁から「経営者保証に関するガイドライン」が出されました

事業経営者が金融機関より事業資金の融資を受ける場合、通常、経営者個人も連帯保証をすることは一般的に行われているところであります。第三者の保証や保証金額や保証期間に定めのない包括根保証は、民法の改正により平成17年4月1日から禁止されました。

今回のガイドラインは、経営者保証に依存しない融資の促進と後継者が事業承継をする場合の保証の減額・解除、事業を整理する場合の経営者の保証の免除に関する取扱いを定めたもので、平成26年2月1日より適用開始されています。

アベノミクスの三本の矢の一つの経済成長を促進するため国内産業の育成が最重要課題でありますが、国内の事業者開業率は10%を切って8%にも満たない状況であり、廃業、倒産する事業者の方が多く毎年7万件の事業者が減少しています。政府は、開業率の目標を10%以上に上げたい訳ですが、上がらない原因の一つに事業を整理しても経営者に連帯保証債務が残されて、再チャレンジ出来ないことにあります。連帯保証は、経営者のモラルハザードの担保として金融機関が求めている訳ですが、事業を法的整理をしたとしても解除してくれません。信用情報機関へ登録され、保証債務の弁済を一生涯要求され追跡されます。

金融機関は、事業者に融資する場合不動産などを担保提供させますが、バブル崩壊後、不動産の価額は期待出来る程のものではなくなり、融資の返済は事業から生み出される利益(キャッシュフロー)を原資として行われるのが原則であるということになりました。

今回のガイドラインでは、業務、経理、資産保有等が法人と経営者個人が明確に区分され、財務基盤が強固で毎月の返済が滞りなく行われて適切な情報開示がなされている場合、保証なしで融資を受けられるようになります。その場合、次のような代替的な融資手法で対応することになります。

  1. 特約条項(コベナンツ)に抵触しない限り保証債務の効力が発生しない保証契約
  2. ABL(動産・売掛金担保融資)の活用
  3. リスク分として一定の金利の上乗せする融資

また後継者が事業承継する際、前経営者が実質的に経営から退き、法人から多額の借入を行なっていてこれが返済され、金融機関が前経営者の資産を担保としていて後継者から同程度の保全資産が提供される場合等は、前経営者の連帯保証の解除や後継者に対する連帯保証の減額が可能になります。

経営者の連帯保証は、今までは法人が民事再生などの法的整理を行っても解除してくれませんでしたが、本ガイドラインが出されたことにより事業整理する場合、経営者の個人資産の情報の表明保証をし連帯保証人と利害関係のない弁護士等の調査・確認を得ることを要件に一定期間の生計費(400~500万円/人)を確保して自宅も住み続けられ、信用情報機関への登録も行われないような取扱いが可能になりました。

公認会計士
三澤 壯義

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