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経営コンサルティング

ゆとり世代の新卒者を戦略的に採用する

新卒者の採用マーケットは、2009年度までは空前の売り手市場でしたが、リーマン・ショックや東日本大震災などで経営環境が厳しくなり、買い手市場に転換するかと思われました。しかしここにきて、若年層の採用は再び困難になってきています。

その要因としてまず挙げられるのは、景気が回復して人材ニーズが高まり、中途採用が活発になったために、新卒採用にシフトチェンジを図る企業が増加したことです。もう一つの要因は、少子化によって新卒者の絶対数が減っていることです。リーマン・ショックや震災後のハローワークの有効求人倍率は0.6倍ほどでしたが、その状況下でも新卒の倍率は1倍を下回りませんでした。それほど新卒者の分母は小さいということですが、2018年~2031年度にかけて18歳人口が約33万人減る「2018年問題」が到来して、事態はさらに深刻化します。

また、経団連は加盟企業に向けて示す新卒者の採用ルールを2016年度の新卒採用より変更することを発表しました。新ルールでは、エントリーシート登録開始と説明会開催が3月1日に、採用選考活動は8月1日にずれる形となり、新卒者採用における期間が全体的に短くなることで、採用活動がより一斉に集中して行われます。最終の内定日は10月1日と変わらないため、学生側にとっては、広く企業研究等を行う時間がありません。そのため、中堅・中小企業は状況が不利になるのです。このように新卒採用は今後ますます困難になることを認識しておかなければなりません。
それに加えて、いまの新卒者が「ゆとり教育世代」であるのも、採用における大きな問題となっています。

ゆとり教育における評価法は、それ以前の結果を他人と比較する相対評価から本人の取り組む姿勢に対する絶対評価となりました。つまり、結果ではなく努力したことが重視されるようになりました。ゆとり教育の是非はともかく結果すなわち利益を追求する企業活動とは相容れないことは確かです。「受注できませんでした」と報告してきた部下に、「でも頑張ったよね」と上司が褒めることはあり得ないのです。

欲しい人材がいない以上は、「育てたいと思う人材」を採用するしかありません。採用面接は、「成長の可能性がある学生を発掘する場」という位置付けにし、なおかつそのような学生に、「この会社に入りたい」という強い意思を抱かせることが重要になります。売り手市場となったいま、中堅・中小企業への入社を希望する学生に対して、親は大手企業への就職を勧めたがるでしょう。その時、「この部分に魅力を感じたからどうしてもこの会社で働きたい」と答えさせられるだけの強い動機付けを、学生に与えなければならないということです。

大手企業ですら危機感を持ち、面接のあり方を研究していますので、中堅・中小企業の新卒採用は戦略的に取り組む必要があります。しかし、実際の中堅・中小企業では、採用担当者と経営層の感覚にズレが認められます。現場の担当者は焦りを感じ、インターンシップやリクルーター制度を導入したいのに、経営層が「そこまでしなくても」と採用現場の危機感が伝わっていないため、対策が進まない企業があるのが現実です。2018年以降はますます厳しい情勢になることを踏まえると、採用制度の早急な改革が不可欠であることがご理解いただけるでしょう。

(SMBCマネジメント+10月号 株式会社じんざい社 代表取締役社長 柘植智幸氏記事より抜粋)

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