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労務関係

試用期間の取扱いについて

この4月に新入社員を迎え入れた企業の皆様におかれましては、将来に期待が持てる社員と、「うちの会社では難しいのでは・・・?」と頭を悩まされる社員とに振り分けされ始めている時期ではなかと思います。
よく経営者の方に「うちの会社では試用期間を3ヶ月と設けているので、(うちの会社に)合わなければ、試用期間が満了後、解雇をしても(又は、自然退職となっても)問題ない。」と考えられおられる方もいらっしゃいますが、残念ながら労働基準法上はそうはなりません。

正社員(雇用の定めがない社員)として採用し、試用期間中の適正をみて本採用を否定する行為は解雇に該当しますので、入社から14日を超えた社員の場合は、労働基準法上の解雇予告や解雇予告手当の支払いが必要になってきます。また、試用期間中の労働契約は、労働者が不適格と判断された場合等一定の範囲で使用者に契約を解約する権利を保留した「解約権保留付労働契約」とされており、既存の正社員に比べれば、解雇自体の有効性は比較的認められやすくなりますが、試用期間の趣旨、目的に照らして、『客観的に合理的な理由』(誰もが辞めさせられてもしかたがないと思えるような理由)が存在し、『社会通念上の相当性』(労働者の行った行為や状態と解雇処分とのバランス)が認められなければなりません。

試用期間は自社の社員としての適格性を見るばかりではなく、教育や指導をする期間であるとも考えられています。つまり、不適格事由があったとしても、即解雇は認められず、その期間中にどのような教育・指導を行なったかも重要なポイントとなります。社員側とすれば教育・指導を行なわれることがなければ、本採用を期待しますので、試用期間が終了する間際になって解雇を言い渡されれば、労務トラブルとなる危険性は非常に高まってきます。

そして、試用期間をめぐる労務トラブルを回避する上で重要なのは入社時です。入社時に「試用期間の意味」、「試用期間の期間」、「本採用となる基準(または本採用とならない基準)」を明確に伝えておき、基準を満たさないケースが起きた時に教育・指導をしていくという事です。

近年では若者の使い捨てなどといったブラック企業の問題も重視され、学校において就職内定者に労働法の基礎知識といった教育の機会を設けて労働者の権利を学ばせており、新卒といえども経営者の方よりも労働法に関する知識が豊富な場合もありますし、些細なことに対してもすぐに親御さんが出てくるような時代です。
将来を期待して採用したはずの新入社員に足元をすくわれないよう、しっかりとした労務管理も非常に重要と考える今日この頃です。

特定社会保険労務士 今野 一郎

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