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社長のための経営講座

第95回 「パナマ文書」は誰が流出させたのか?

 「パナマ文書」の資料を南ドイツ新聞より入手・分析した国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は2016年4月10日に21万社のペーパーカンパニーの情報を公開しました。タックス・ヘイブン(租税回避地)での法人設立は、違法ではないが世界的に課税逃れとの批判が高まっており、キャメロン首相の亡父、アイスランドのグンロイグソン前首相、ロシアのプーチン大統領の友人、中国の習近平国家主席の親族、日本との関与ある270社のペーパーカンパニーと日本居住の300人の名前も含まれていました。
 パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」が21ヶ国に設立した21万社のうち、半分以上の約11万3,000社が英領バージン諸島にあり、アンギラなどの英領の島々が多い。大英帝国時代からこれらのタックス・ヘイブンを経由した世界中のマネーがロンドンの金融センターに集まり、国際的金融センターとしての地位を確立していたという側面があるそうです。
 スイスの銀行とかタックス・ヘイブンに位置する金融機関は、税の軽減や銀行口座の匿名性をサービスに提供していますが、最近、租税情報交換条約を多くの先進主要国(日本も入っています)と結んでおり犯罪性、事件性のある氏名の口座情報を明らかにされることになりました。しかし、まだ多くのタックス・ヘイブンの国や地域とは条約を結べていません。パナマ文書の流出は、当初ハッカーにやられたという報道でしたが、後日、社内のIT技術者が意図的に情報を持ち出したということに訂正されました。私も膨大な文書が外部から侵入するハッカーが、はたして入手できるのか疑問に思っていました。
では、だれが、それを仕掛けたのか?私はアメリカの内国蔵入庁(IRS)が、社員を買収して、アメリカとは遠く離れた、何の関係もない南ドイツ新聞に情報を持ちかけたと思っています。
 アメリカは2014年7月1日よりFATCA法(外国口座税務規律遵守法)を施行しています。これはアメリカ人の海外の金融機関(14万5.000社)に所有する口座の全ての情報をIRSに報告させるという法律です。この法律が確実に施行されるには、障害が2つありました。それはタックス・ヘイブンにある銀行口座とマネーロンダリングを必要とする不正犯罪資金です。
「パナマ文書」をマスコミに流出させるだけでいいんです。日本は、この報道の後、直ちにパナマと租税情報交換条約を結びましたし、さっそくOECD加盟国間協議で口座情報を共有出来る仕組みを構築しましょうということになりました。
 海外の銀行の口座情報の買収には前例があります。金融資産の国外流出に悩むドイツの国税庁が、スイスの隣国のリヒテンシュタイン銀行の社員が持ち出した顧客情報を3億円で買ったんですね。リヒテンシュタインという国は、人口35,000人の小国ですが、ドイツ語を公用語としていて、王様が設立して財産を運用しているのがリヒテンシュタイン銀行です。世界中の金持ちが口座を所有するプライベートバンクです。その顧客情報によりドイツの国税庁から日本の税務当局に情報が持ち込まれました。帝京大学医学部の元学長の口座に15億円の預金があります。預金の存在は、遺族も知らないものでした。

公認会計士 三澤 壯義

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