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ファイナンシャルプランニング

高齢化の進展以上に増加する医療費 調剤費がその一因

医療費の抑制は国民的課題である。2000年度に30兆円だった国民医療費は14年度に41兆円に達した。速報値の伸び率から推計すると、15年度は42兆円に達しただろう。
医療費の増加に伴い、制度を支える現役世代や企業の負担はますます重くなっている。保険料負担は2000年度から15年度にかけて4.5兆円増加した。これは消費税率換算で1.5%強の引き上げに相当する。また、同期間で6.5兆円増加した公費負担は財政赤字の構造的な要因だ。国民皆保険制度をこれからも維持していくには、給付の重点化や適正化、健康増進のための取り組み、負担能力に応じた患者負担の引き上げを大胆に進めなければならない。

安倍内閣が推進している「経済・財政一体改革」では、改革工程表にさまざまな施策が盛り込まれている。例えば、病床機能の再編、保険者や個人に疾病予防を促す仕組みの導入、後発医薬品の普及促進、データヘルスの推進、利用者負担の見直しなどである。
中でも注目されるのは、国民医療費の伸びの「見える化」だ。実は、近年の医療費の伸びのうち、高齢化を要因として説明できるのは半分程度にすぎない。過去10年間の医療費が人口動態と診療報酬改定のみの要因で増減したと仮定すると、15年度の国民医療費は約6兆円も少なかったと試算できる。

医療費が高齢化を上回るペースで増加する原因には、診療行為や薬剤の技術進歩による単価上昇、医療の供給体制の非効率などがあると考えられる。だが、これまで精査されてこなかった。
政府は、レセプトデータ分析などから実態を明らかにし、効果的な施策を検討しようとしている。厚生労働省が最近公表した分析によると、高齢化以外の要因による医療費の伸びを資料種別に分解すると調剤の寄与が最も大きいという。確かに調剤費の伸びは近年大きく、足元では高額薬剤の使用増加が医療費を押し上げている。
政府は一部の高額薬剤の緊急引き下げを実施し、18年度に薬価の抜本改定を行う方針だ。調剤分野では薬価だけでなく、技術料を含めた総合的な見直しが必要である。

(週刊ダイヤモンド11/5号 大和総研シニアエコノミスト 神田慶司氏記事より抜粋)

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