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経営コンサルティング

中小企業に向いた人材増加中 大企業OBを今こそ狙え

高いプライドなどから、活用を躊躇しがちな大企業出身の中高年。だが近年、中小企業にとって“使い勝手”のいい人材が増えつつある。人選びと受け入れ方次第で、中小企業の貴重な戦力とすることが可能だ。
かつては大企業のOB人材、とりわけ50歳以上のベテランを中小企業が採用すると持て余してしまうことが多かった。プライドは高いし指示するばかりで率先して動こうとしない、会社の経費を使うことに無頓着。いくら能力が高く人脈が豊富であっても、取引先に頭を下げて仕事をもらい、社員一人で何役もこなさざるを得ない中堅・中小企業にとって、決して使い勝手のいい人材ではなかった。

しかし最近、大企業出身者に変化が表れてきている。大企業のOBを積極的に採用してきた創業5年のベンチャー企業フィンク。溝口勇児社長は、「当社にいる大企業OBは、自ら伝票の処理をしたり、始業前に自分の周囲を掃除したりしている。『何でもやります』タイプのベンチャーに向いている人たちだ」と話す。
ヘッドハンティングを手掛ける東京エグゼクティブ・サーチの福留拓人社長は「中小企業では管理・監督は社長の専権事項。そこで活躍できる大企業出身者は、柔軟性・専門性・自分で動くプレイングマネージャーという3つの資質を持った人だ」と指摘する。こうした大企業社員やOBが広がっていると見ていい。
人材サービス大手インテリジェンスの事業「アイコモン」は、主に中小企業と業務委託契約を結び、シニア人材にその業務を再委託するビジネスだ。鏑木陽二朗カンパニー社長は「登録者には、現場に入りたい人が圧倒的に多い。面談すれば、金銭よりもやりがい、働きがいを求めていることが分かる」と話す。大企業に30年前後勤めれば蓄えがあるのが普通。転職先を選ぶ際に給料を重視する人が少なくても不思議はない。
こうした状況を踏まえ、中小企業が大企業OBを上手に活用するための「5ヶ条」をまとめてみた。

第1条は、言うまでもなく「中小企業向きの人材を選ぶ」。自分で動くことを厭わず、年下の社員とも気さくに接する人が望ましい。ここで間違えると、採用するのが中高年だけに入社後の“性格転換”は難しく、大企業OB、中小企業双方に不本意な結果になりかねない。
続く第2条は、「期待する役割を本人に明示する」こと。企業再生コンサルタントの中沢光昭氏も、「社長は、採用した大企業OBの役割や期待度を、本人にはっきり話すべきだ」と指摘する。そうすることでOB自身も、自分が何をすべきなのかを明白にできる。
第3条は、「報酬は実績に応じて引き上げる。」最初から他の社員と比べて高い報酬を約束すると、周囲の社員から反発を買ったり、本人にとっても過度のプレッシャーになったりしかねない。既に述べたように、年収にはこだわらない人も増えているのだから、年俸制にして随時見直すなど、実績を反映できる報酬にしたい。
第4条は、大企業OBが「能力を発揮しやすい環境づくり」。新しい職場で人間関係を構築するのには、誰でもそれなりの時間がかかる。この時間を節約するには、まず、大企業OBを受け入れる目的や採用した背景などについて「社長が組織の末端にまでメッセージを送って浸透させる」(福留社長)ことが第一歩だ。そうすれば、周りの社員の協力も得やすくなる。
最後の第5条は、「あまり性急に結果を求めない」こと。公的な資格の持ち主や同業の大企業から受け入れる場合は短期間で評価しても差し支えないが、それ以外の人については評価を下すのは1年ぐらい後の方がよさそうだ。

中小企業では、社長の発案で大企業からOBを迎えることが多い。そのため役員や一般社員との間に、人材の受け入れ方についてギャップが生じることもある。その場合、大企業OBは極めて働きにくい環境に置かれてしまう。大企業OBをうまく活用して会社を成長させたいのなら、社長にもそれなりの役割を果たすことが求められる。

(日経トップリーダー12月号より抜粋)

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