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経営コンサルティング

ムダな残業を劇的に減らす方策を探る 残業ゼロへの道

残業は減らすべきとの社会的な機運が高まっている。名だたる大企業が残業削減に大きく舵を転換。月100時間を超える残業が常態化しているような会社は、それこそブラック企業の烙印を押されかねない。

「いまの若い世代は、かつての『モーレツ社員』のように、馬車馬のように働きたいとは思っていません。ワーク・ライフ・バランスを体現するような働き方を望んでいる傾向が強いといえます」と話すのは、社会保険労務士の望月建吾氏。良くも悪くも、そうした若者を採用していかなければ事業は回せなくなる。少子化が進むなか、いつまでもブラック企業的な働き方をさせていたら、人は集まらない。だとしたら、やはり残業削減はどの企業も取り組むべき課題といえるのだ。

どうせなら思い切って「残業ゼロ」を目指してしまうのも手である。高い目標を掲げることで、小手先ではない真の「働き方革命」が社内から巻き起こるかもしれない。「残業をなくしたら、会社の売上が落ちる」と懸念する経営者もいるだろうが、必ずしもそうなるとは限らない。実際、残業時間を大幅に削減しながらも、業績アップを達成している中小企業はいくつもある。
オリジナルブランド「マラナ化粧品」で知られるランクアップがまさにその1社。岩崎裕美子社長の方針のもと、「ほとんどの社員が17時に帰る会社」を実現している。それでいて右肩上がりの成長を続けているというからすごい。

そもそもランクアップの定時は8時半から17時半。17時に退社というのは、残業どころか30分早く退社していることになるわけだが、同社には「17時に帰っていいよ制度」があり、仕事が終わっていれば30分早く退社して構わない。

ランクアップを設立した当初は残業を完全になくそうという意識はなかったが、出産がきっかけで残業ゼロを目指して本気で取り組むようになった。「システムトラブルで何人もの社員が会社に残っているのに、子供の世話があって早めに退社するしかなく本当に肩身の狭い思いをしました。それで、みんなが定時で帰れる会社にしようと決めたのです」と話す。

しかし、岩崎社長が打ち出した残業ゼロを目指す方向性に、「忙しいときは残業をしないと終わらないのに・・」と不満顔を浮かべる社員もいた。そこで実施したのが「業務の棚卸」だった。各社員が毎月どんな仕事をしていて、どのくらいの時間を費やしているかをリストアップ。そのうえで単なる惰性で続けていた業務を洗い出すなどして「やる・やらない」を選別し、残業をしなくて済むくらいの仕事量にしていった。

さらに「社内資料はつくりこまない」「会議は30分」「社内メールで『お疲れ様です』は使わない」「社内のスケジュールは勝手に入れる」「プロジェクト化」「社内の根回し」の6項目をルール化した。パワーポイントで色・フォントに凝った資料を作るのに時間を掛けるくらいなら、ワード1枚の資料で十分だし、ダラダラと会議をするのも、社員同士のメールにいちいち『お疲れ様です』と入力するのも時間のムダ。取引先の商談など、上司の予定を部下が勝手にスケジューラーに入れてよいというのも時間短縮のためだ。そして、部署横断的な仕事に力を入れるときはプロジェクトを立ち上げたり、企画の初期段階に各部門に相談しておくといった社内の根回しも、一見遠回りなように見えて、結局は時間短縮になると考えている。

残業をなくしたところで、会社の売上が落ちたら意味がない。しかし、そうはならなかった。プライベートを充実できる時間をもらった社員たちは、育児中のママなら誰もが直面する美容に関する悩みを自ら体感。それをヒントに開発した製品がヒットを飛ばすなどして、会社の業績をさらに押し上げた。「自分たちが欲しいと思える魅力的な商品を製品化し、その魅力をいかにうまくプロモーションしていくかが大切で、残業時間の長さはあまり業績に関係ないと思います」と岩崎社長はいう。

(出所:TKC戦略経営者3月号より抜粋)

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